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2026年正月宣言

執筆日: 2026.01.07

年に一度の家族会議

我が家では毎年1月1日および2日は親戚一同の集まりがあり、美味しいご飯やお酒を楽しんだ後、1月3日あるいは4日に各自が今年の目標を発表する家族会議がある。 長らく1月3日または4日が家族の日として定着していたが、兄が結婚して帰省日程が以前に比べ短くなった関係で、今年は1月1日に行われた。

公にはなっていないが、この家族会議での目標発表は、法的拘束力のような何らかの不思議な効力を持つらしく、我が父母は年末になっても各自が口にした文句を記憶しており、会話の節々で私は覚えているぞと言わんばかりの無言の圧力をかけてくるのである。 そういった意味で下手なことは口にできないし、口にしたからには実行しなければならない、そういった緊迫した空気感が漂う場でもあるわけである。

昨年の目標

私の昨年の目標は、博士課程修了後の進路を決めるということであった。 これについては、まだ民間企業に行くか、アカデミアに残るかというところで若干の悩みが残るものの、一度民間企業に行ってみることで気持ちを固め始めている。 夏ごろから業界や性格の少しずつ異なる企業のインターンに参加し、これまで山に籠って研究していただけでは気付くことが出来なかった自分の強みや、変えたいと思っている社会構造へのアプローチ方法についての気付きが得られ、あえて一番挑戦的な道を歩んでみようということでの決断であったが、インターンで感じたことなどについては、今後少しずつ吐き出していきたいと思う(最近の私の記憶容量は1週間前のことは忘れている程度にまで圧迫されているが、幸い強い感情については脳内で反芻されているおかげか常磁性緩和は起こらないらしい)。

昨年の反省

昨年に限った話ではないが、特に昨年は自分の命を削って生きていた時間が長かったように感じる。 明らかに健康的な生活からかけ離れたスケジュール感で生活していた時間が多く、ほとんどの場合はインターンと研究を同時並行で進めていたことが原因であった。

しかし、そのような中でも得られたこともあった。 第一に、極端に分野が異なり、かつウェイトの大きい2つのタスクの切り替えは、体力と精神を想像以上に消耗すること。 第二に、そんな環境の中でもタスクを細分化しながら、自分の行動・思考ログを外部記憶としてドキュメントに吐き出して忘れることで、切り替えの負荷が下げられるということ。 最後に、自分の体力の限界を知れたこと。 体力の限界がわかるからこそ、結果にフォーカスしないといけないときにスタミナマネジメントが出来るわけで、そういう意味で最後の項目はなかなか重要な学びであったと思う。

自分についての反省点は無限に思いつくが、もう1つ顕著な反省点を挙げるとすれば、自分の研究でインパクトのあるブレークスルーを起こせなかったことであろう。 昨年を振り返ると、もちろん着実に研究を前に進められたということはあるものの、なんというか自分の期待以上(というよりか予想できなかったレベル)の発見は得られなかったように思う。 すなわち、一昨年から既に予想できていたことが、予想通りに遂行されたという、割と淡白な研究になってしまったように思う。

今年の目標

最後に今年の目標だが、これはもう1つしかない。 物理学という学問に貢献する結果を残すことで、これまで自分を応援してくれた人達、出会った人達に恩返しすることである。 私が研究対象であるエッジ状態が異なるバルクの間に発現するように、異なる物理学の分野の境界線に橋を架け、これまで物理と接点がなかった人たちと自分の間にも橋を架けるような仕事をし、アカデミアを後にしたいと思う。 そして、半導体の中に宇宙を作った人間として、次につなげるものを探しにいきたい。